2016年 05月 11日
Vionnet Rose…
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優雅に開花した薔薇を眺めていたら、このページを思い出しました。
ヴィオネが渡米中に出逢った美しい薔薇に心惹かれて生み出された装飾は、
バイアスの女王といわれるヴィオネらしく、バイアス断ちの布であしらう
優雅な薔薇…。この装飾は『ヴィオネ・ローズ』と呼ばれ、ヴィオネ自身が
とても気に入って繰り返し用いられ、自宅のクッションにもこの薔薇が
施されていました。ヴィオネは自然に馴染む色を好む中、Rose(ピンク)だけは
特別な色…。ヴィオネにとっても薔薇は特別な存在だったようですね。
ヴィオネ繋がりで、この前も少しだけ触れたモードの歴史のお話を…。
コルセットからの解放と言えば、ココ・シャネルより前に
ポール・ポワレが果たしていることはよく知られていますね。下の画像の
右中央はポワレのスタイル。そして右下が"足かせ"。(細身のスカートが
裂けないよう、歩幅を制限するもの)コルセットからは解放しつつも、
ポワレの新しいスタイルを叶えるために必要だったのでしょう…。
メゾンにて、コルセットを外したコレクションをポワレより先に発表していた
ようです。右上の写真のようなS字コルセットが主流だった1900年代、マヌカンは
左中央の写真のようなハイネックの黒い下着の上にドレスを試着していましたが、
その下着を取り去り、素足にサンダルという当時としては斬新すぎるもの、
一筋縄ではいかなかったようです。コレクションの前日、当時の習慣になかった
"入浴"を命じたことから、マヌカンたちの間で大騒動が巻き起こったのも
当時ならでは…。ヴィオネは「自分が我慢できないものを押し付けられない」
という理由からコルセットを外しましたが、この時にはあまり良い評価は
得られなかったようです。時代を先取りし過ぎていたのかもしれませんね?
20世紀のモードの変革者に相応しいエピソードのひとつです…。
by makibijou
| 2016-05-11 09:14
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